今回は保育園でのアレルギー対応の流れについてです。
保育園によって対応は様々ですので、僕の園ではどのような流れで対応しているのかを紹介していきます。
保育園ではアレルギー対応を個別で行い、除去食や代替食を提供しています。除去食、代替食共に保護者の判断ではなく必ず医者の指示のもと行います。
アレルゲンとなる食品を食べると体がかゆくなったり湿疹が出たり、ひどい場合は呼吸困難になったり、最悪の場合死に至る場合もあります。
勝手な判断で提供してしまうと取り返しのつかない事態に陥る場合もあるので、しっかりルールを決めて園全体で周知しておかなければいけません。
アレルギー対応で誤食が起こる原因は様々ありますが、一番多いのはアレルゲンを理解していないだと思います。
給食室のメンバー、保育士、全ての職員が理解していなければいけないと感じています。正規職員、パートなど関係ありません。保育園で働く者として知っておかなければいけないことだと僕は感じています。
給食室だけが理解していれば大丈夫!!という考えでは必ず事故が起こってしまいます。しっかりみんなで周知し理解を深めてもらいたいですね。
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それでは保育園でのアレルギー対応の流れについて、順番に紹介していきます。
医者の指示書を提出してもらう
どこの園でもここは変わらないと思いますが、アレルギーの判断をするのは、保護者でも保育士でも栄養士でもなく、医者です。
僕の園では、園が用意した指示書と除去食品表というものを医者が記入し提出してもらっています。
その書類をもとに、何が食べれるのか、何が食べれないのかを確認し提供しています。
保護者が、うちの子家で卵を食べているので園でも提供してくださいと言ってきても、除去食品表で『卵を除去しなければいけない』となっている場合は提供できません。
医者の指示が全てですので保護者の判断で提供する、しないは行なっていません。
この指示書には期間を記入する欄を設けており、その期間を過ぎるまでに必ず病院に行ってもらうようにしています。
例えば、指示書を提出していただき、期間が2023年4月1日〜2023年9月30日の6ヶ月間だった場合、9月30日までに病院に受診していただき、新しい指示書を提出してもらうように決めています。
この期間に関しては医師の判断ですので、3ヶ月の場合もあれば、1年の場合もあります。
そして指示書の他に除去食品表という書類も提出していただいています。
これも医師記入の書類です。
除去食品表とは一体何なのかと言いますと、何を除去すべきかを詳しく分類した書類になります。
厚生労働省が作成している【保育所におけるアレルギー対応ガイドライン】では「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」という参考様式があります。
これを園独自で作成したのが「除去食品表」になります。
例えば、乳がアレルゲンの場合、乳を全て除去するとなるとほとんどの物が食べれないことになってしまいます。
牛乳、ヨーグルト、チーズ、バター、シチュー、クッキー、調味料など乳と言っても様々あります。除去食品表で乳をいくつかのカテゴリーに分類することにより、医師が血液検査の結果をもとに、クッキーは食べても大丈夫、チーズはやめておこうなど判断し、給食を提供することができます。
分類が少な過ぎるとほとんど提供できなくなりますし、分類が多過ぎると複雑すぎてミスが起こってしまう可能性が高くなるので、園で提供している給食やおやつをもとに除去食品表を作成しています。
保育士と確認する
除去食品表をもとに提供できない食材を確認し、まず給食室で献立表を見ながら除去する食品に蛍光ペンでマークしていきます。2人以上で確認作業を行い、チェック漏れがないかをしっかり確認していきます。
次に、アレルギー除去がある園児のクラス担任保育士と給食室の管理栄養士または栄養士が献立表を見ながら除去する食材を蛍光ペンでマークしていきます。
代替食品を使う場合は、蛍光ペンでマークし、代替食品名を書いています。
例えば、卵アレルギーでサラダに使用するごまドレッシングに卵が入っていて、代わりに青じそドレッシングを使用するとします。
この場合、ごまドレッシングに蛍光ペンでマークして、青じそドレッシングと記入します。
チェックした献立表は1枚をクラスに貼っておき、もう1枚は保護者に渡して間違いがないか確認していただいています。
必ず保育士は献立表を確認し、今日のサラダのドレッシングは青じそドレッシングに変更されているんだと目視してから給食を提供するように決めています。
食器の色を変える
給食提供時の決まりとして、アレルギー児の食器は常に色付きの食器にし、給食室で盛り付けを行なっています。
その日の給食にアレルゲンが無くて食器は色付きにしていますよ。
食器の色を変えることにより、万が一、アレルギー除去をしないといけない園児の机に色がついていない食器があれば事故を防ぐことができるので必ず毎日色付きの食器を使用しています。
アレルギー食は、クラスの給食の準備が始まると1番に給食室まで担任の先生が取りに来るように決めています。
そこで、保育士と栄養士が対面で除去があるのか、ないのかを確認し、除去がある場合は、何が除去で代わりにこの食品を使っています!など確認を行なっています。
給食室では、盛り付けの際、2人以上で必ずアレルギー除去があるのか、ないのかを確認してから盛り付けを行なっています。
しっかりルールを守って確認作業を怠らなければ、絶対にミスは起こらないと思っています。
除去解除申請
医師の判断で除去をする必要が無くなった場合は除去解除申請書類を提出していただきます。
この書類を提出していただくと今まで提供していなかった食材を提供できるようになります。
これにもいくつかルールがあります。
アレルギー対応の流れで、初めに医師の指示書、除去食品表を提出していただいていますよね。
除去食品表はアレルゲンをいくつかのカテゴリーに分類しているとお話ししましたが、除去解除申請書類を提出したからといって全ての食材を提供できるわけではありません。
乳の中でも、牛乳はまだだめですが、チーズは食べても大丈夫と判断された場合、チーズのみ除去を解除することができます。
その際、新しく指示書、除去食品表を提出していただき、本当に医者の判断で解除できるのかを確認しています。
中には、保護者の判断のみで解除してほしいと申し出てくる場合があるので、必ず解除する場合は指示書、除去食品表の提出をお願いしています。
そして、チーズが除去解除になる場合、必ず家でチーズを食べてアレルギー反応がないかを確認していただいてから除去解除申請書類を提出していただいています。
様々な段階を踏んでからの解除となります。
それだけアレルギー対応に関して慎重に行うようにしています。
連携が大事です!!
僕は厨房の社員はもちろん、パートの方にもアレルギーに関しては知らなかった、分かりませんはやめてくださいと伝えています。命に関わることなので、みんなが知っておかないといけないと思っています。これは給食室だけでなく、保育士さんなど園の職員全てに言えることです。
保育士さんにも、自分のクラスにアレルギー児がいなくても、私には関係ないと思わないでほしいと伝えています。
その気の緩みがミスに繋がるからです。
園全体でアレルギー対応の確認はするべきですし、全職員が把握しておかなければいけないと思っています。人間がすることなのでミスが起こる可能性は絶対にあります。
全職員が意識していれば、万が一給食室でミスがあっても保育士さんが気づいてミスを防ぐことができますし、保育士さんのミスを給食室や他の保育士さんが気づいて事故が起こる前に防ぐこともできます。
大きな事故を起こさないためには、給食室の中でも連携が大事ですし、給食室、保育士との連携もとても重要です。
園全体でしっかり連携をとって安心、安全に給食を提供することがとても大切になってきますよ。
みんなが安心して給食を食べることができる環境を作っていきましょう。
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